救命講習のeラーニングと修了証を徹底解説:自宅で学べる種類と取得方法
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- 14 時間前
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「救命講習を受けたいけれど、平日に消防署へ行く時間がない」「まずはどんな内容なのか知りたい」――そんな悩みを持つ方に最適なのが、eラーニング形式の救命講習です。
総務省消防庁が提供する無料のオンライン講習を利用すれば、自宅や通勤時間を活用して、救命技能の基礎知識を学ぶことができます。さらに、修了後に発行される受講証明書を使えば、消防署での実技講習時間を短縮できるという大きなメリットもあります。
本記事では、
eラーニングで取得できる修了証の種類、それぞれの違い、具体的な受講方法、そして実技講習との組み合わせ方まで、救命講習の全体像を分かりやすく解説します。また、救命講習で培われる観察力や判断力が、日常生活や職場での安全意識向上にどうつながるのかについても、最新の研究データを交えてご紹介します。
救命講習eラーニングとは――自宅で学べる応急手当の基礎

eラーニングで学べる内容と特徴
救命講習のeラーニングとは、総務省消防庁が提供する「応急手当WEB講習」のことを指します。このシステムでは、インターネット環境があれば、パソコン、タブレット、スマートフォンのいずれからでも、時間と場所を選ばずに救命技能の基礎知識を学ぶことができます。
eラーニングの最大の特徴は、受講費用が完全無料であることと、自分のペースで学習を進められることです。動画は項目ごとに分かれているため、一度に全てを視聴する必要はなく、通勤時間や休憩時間などの隙間時間を活用して、少しずつ学習を進めることも可能です。
(参照:総務省消防庁「一般市民向け応急手当WEB講習」https://www.fdma.go.jp/relocation/kyukyukikaku/oukyu/index.html)
学習内容は、心肺蘇生法、AED(自動体外式除細動器)の使用方法、異物除去、止血法など、実際の救命現場で必要となる基本的な知識です。各動画の視聴後には確認テストが用意されており、理解度を確認しながら学習を進められる仕組みになっています。
eラーニングと実技講習の関係
eラーニングだけでは、実際の手技を身につけることはできません。しかし、座学部分を事前にオンラインで学習しておくことで、消防署等で実施される実技中心の講習を時間短縮して受講できるというメリットがあります。
例えば、通常3時間かかる普通救命講習は、eラーニングで事前学習を済ませておけば、実技のみの2時間講習で修了できます。仕事や家事で忙しい方にとって、1時間の短縮は大きな利点といえるでしょう。
eラーニングで取得できる修了証の種類を詳しく解説

1. 応急手当WEB講習受講証明書(普通救命講習編)
学習内容の詳細
普通救命講習編は、救命講習の基礎となる内容で、27本の動画(合計約65分)で構成されています。主な学習テーマは以下の通りです。
心肺蘇生法の基礎:胸骨圧迫の方法、人工呼吸の手順
AEDの使用方法:自動体外式除細動器の操作手順と注意点
気道異物除去:窒息時の対処法(背部叩打法、腹部突き上げ法)
止血法:直接圧迫止血法などの基本的な止血手技
各動画は3~8分程度と短く区切られているため、スマートフォンを使って通勤電車の中や昼休みなど、隙間時間を活用して少しずつ学習を進めることができます。
修了テストと合格基準
全動画視聴後、30問の修了テストを受験します。30問中25問以上(正解率約83%以上)で合格となり、「応急手当WEB講習受講証明書(普通救命講習編)」が画面に表示されます。
不合格の場合でも再受験に制限はなく、何度でもチャレンジできます。また、各動画の後には確認テストがあるため、理解度を確かめながら段階的に学習できる仕組みです。
証明書の有効期限と使い方
発行された受講証明書の有効期限は発行日から概ね1ヶ月以内です。この期間内に消防署等で実施される実技講習を受講する際に証明書を提示すると、通常3時間の普通救命講習が2時間に短縮されます。
証明書は画面に表示されますので、印刷するか、スマートフォンで画面を保存(スクリーンショット)しておきましょう。実技講習当日に提示が必要です。
(参照:京都市消防局「e-ラーニング講習」https://www.city.kyoto.lg.jp/shobo/page/0000161582.html、高槻市消防本部「救命講習のご案内」https://www.fd-takatsuki.jp/119/seminar/elearning.html)
2. 応急手当WEB講習受講証明書(上級救命講習編)
学習内容の詳細
上級救命講習編は、普通救命講習の内容に加えて、より高度な救命技能を学ぶコースです。51本の動画(合計約110分)で以下の内容を学習します。
成人の心肺蘇生法(普通救命講習編の内容)
小児・乳児の心肺蘇生法:年齢に応じた手技の違い
傷病者管理:体位管理、保温などの全身管理
外傷の応急手当:骨折、やけど、切り傷などへの対処
搬送法:安全な搬送方法と注意点
小児や乳児の心肺蘇生法は、成人とは胸骨圧迫の深さや人工呼吸の方法が異なるため、保育士、教職員、子育て中の方には特に推奨される内容です。
修了テストと合格基準
上級救命講習編も、全動画視聴後に修了テストを受験します。合格基準は普通救命講習編と同様で、一定の正解率を達成すると「応急手当WEB講習受講証明書(上級救命講習編)」が発行されます。
証明書の有効期限と使い方
上級救命講習編の受講証明書も、発行日から概ね1ヶ月以内が有効期限です。消防署等で実施される上級救命講習(通常8時間)を受講する際に提示すると、2時間短縮された6時間の実技講習で修了できます。
(参照:岐阜市「e-ラーニング(応急手当WEB講習)の受講」https://www.city.gifu.lg.jp/kurashi/syoubou/1001520/1001521/1001526.html)
3. 救命技能認定証(実技講習修了後に交付される正式な資格)
eラーニング受講証明書との決定的な違い
多くの方が混同しがちですが、eラーニングで取得できる「受講証明書」と、実技講習修了後に交付される「救命技能認定証」は、全く別のものです。
応急手当WEB講習受講証明書
性質:オンライン座学の修了を証明
実技:含まれない
有効期限:約1ヶ月(実技講習受講までの期間)
用途:実技講習の時間短縮のため
公的な資格:該当しない
救命技能認定証
性質:実技を含む講習の修了を証明する正式な資格
実技:心肺蘇生、AED操作などの実技試験に合格
有効期限:3年間
用途:救命技能の公式な証明(就職、ボランティア活動等で活用)
公的な資格:消防機関が認定する正式な資格
救命技能認定証の取得ルート
救命技能認定証を取得するには、以下の2つのルートがあります。
ルート1:eラーニング活用(時間短縮)
eラーニングで受講証明書を取得(約1~2時間)
1ヶ月以内に消防署で実技講習を受講(普通救命:2時間、上級救命:6時間)
実技試験に合格
救命技能認定証が交付される
ルート2:通常の講習(座学+実技を一度に)
消防署で座学と実技を含む講習を受講(普通救命:3時間、上級救命:8時間)
実技試験に合格
救命技能認定証が交付される
どちらのルートでも、最終的に取得できる救命技能認定証は同じです。時間に余裕がない方、事前に知識を身につけておきたい方は、ルート1のeラーニング活用がおすすめです。
(参照:東京消防庁「救命講習のご案内」https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm)
その他の学習コンテンツ
総務省消防庁のeラーニングサイトでは、受講証明書が発行される2つのコースのほかに、以下の学習コンテンツも提供されています。
はじめての応急手当編
小学生など、初めて応急手当を学ぶ方を対象とした入門編です。胸骨圧迫やAEDの使用方法を、イラストや分かりやすいアニメーションで学ぶことができます。
注意:このコースには受講証明書は発行されません。あくまで学習用コンテンツです。
個別動画閲覧・動画一覧
「AEDの使い方だけもう一度確認したい」「止血法の部分だけ復習したい」といったニーズに対応する機能です。特定のテーマの動画だけを選んで視聴できます。
修了証明書取得後の復習や、定期的な知識の確認に活用できます。
救命講習で身につく「観察力」が日常生活の安全性を高める

緊急時の判断力は日常の危機察知にも活きる
救命講習を受講する目的は、もちろん緊急時に適切な応急手当ができるようになることです。しかし、講習を通じて得られるスキルは、それだけではありません。
2020年に発表された災害対応における研究では、状況認識(Situational Awareness)が緊急事態への効果的な対応に不可欠であることが明らかにされています。状況認識とは、「周囲の状況を正確に把握し、その意味を理解し、次に何が起こるかを予測する能力」のことです。
この研究によれば、状況認識は以下の3つのレベルから構成されます。
知覚:周囲の情報を収集する
理解:その情報が何を意味するかを解釈する
予測:次に何が起こるかを予測し、適切に行動する
(参照:Disaster Medicine and Public Health Preparedness誌「Technologies Enabling Situational Awareness During Disaster Response」2020年8月、Cambridge University Press)
救命講習で学ぶ「周囲の安全確認→意識の確認→呼吸の確認→119番通報→心肺蘇生開始」という一連の流れは、まさにこの3レベルの状況認識を実践的に訓練するものです。
観察力の向上が日常のリスク察知につながる
興味深いことに、この状況認識能力は、日常生活における様々なリスクの察知にも応用できます。
例えば、駅のホームで不審な行動をする人物に気づく、子どもが危険な場所で遊んでいるのを早期に発見する、オフィスで火災の初期段階の異常(焦げ臭いにおいなど)を察知するなど、「何かがおかしい」と感じ取る能力が高まります。
2022年に発表された研究(中国北部住民724名を対象)では、複数の情報チャネルから情報を収集・統合する能力が、適切な予防行動につながることが示されています。救命講習で培われる「観察→判断→行動」のプロセスは、この情報処理能力を高める訓練にもなるのです。
(参照:PMC(PubMed Central)「From warning messages to preparedness behavior: The role of risk perception and information interaction in the Covid-19 pandemic」)
「自分にもできる」という自信が行動を変える
2024年から2025年にかけてルーマニアで実施された研究(369名が参加)では、災害への備え行動に影響を与える要因が分析されました。この研究で明らかになったのは、「自己効力感」(自分にもできるという自信)が重要だという点です。
(参照:International Journal of Disaster Risk Science「Examining the Risk Perception-Disaster Preparedness Behavior Nexus in the Seismic Context of Bucharest」2025年7月)
救命講習を受講することで、「緊急時に自分にも何かできる」という自信が生まれます。この自信は、日常生活においても「危険を察知したら行動を起こす」という積極的な姿勢につながります。
例えば、不審な人物を見かけたときに施設のスタッフに知らせる、子どもが危険な遊びをしているのを見たら声をかける、といった小さな行動が、大きな事故や事件を未然に防ぐことにつながるのです。
eラーニング受講から実技講習までの流れ

ステップ1:eラーニングの受講
総務省消防庁の「一般市民向け応急手当WEB講習」サイトにアクセスし、「普通救命講習編」または「上級救命講習編」を選択します。動画を全て視聴し、修了テストで80%以上の正解率を達成すると、受講証明書が発行されます。
受講証明書は画面上に表示されるので、印刷するかスマートフォンで画面を保存しておきます。
ステップ2:実技講習の予約
eラーニング修了後、概ね1ヶ月以内に地域の消防署に連絡し、実技講習の日程を予約します。この際、eラーニングで受講証明書を取得したことを伝えると、講習時間が短縮されます。
ステップ3:実技講習の受講
予約した日時に消防署等を訪れ、受講証明書を提示して実技講習を受講します。普通救命講習の場合、通常3時間の講習が2時間に短縮され、心肺蘇生法やAED操作などの実技を学びます。
ステップ4:救命技能認定証の取得
実技講習を修了すると、消防署から「救命技能認定証」が交付されます。この認定証は有効期限が3年間で、定期的に再講習を受けることで更新できます。
企業や施設での救命講習eラーニング導入のメリット

従業員教育の時間とコストを削減
企業や施設において従業員に救命講習を受講させる際、eラーニングを活用することで、教育にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
従来の方法(消防署での講習のみ)
全従業員を3時間拘束
業務時間中の受講の場合、その間の業務が停止
複数回に分けて実施する必要がある場合も
eラーニング活用
従業員が各自、自宅や通勤時間に1時間学習
業務への影響を最小化
実技講習は2時間に短縮
例えば、50名の従業員に受講させる場合、eラーニングを活用することで、従業員1人あたり1時間、全体で50時間の業務時間を節約できる計算になります。
安全管理体制の強化
救命講習を受講した従業員が増えることで、職場全体の安全管理レベルが向上します。
2015年の研究では、災害への備えから緊急対応、復旧に至るまで、全フェーズにおいて状況認識が重要であることが示されています。救命講習で培われる観察力と迅速な判断力は、以下のような場面で活用できます。
来客者の体調急変への迅速な対応
火災や地震発生時の適切な避難誘導
不審者や不審物の早期発見
事故の未然防止(危険な状況への気づき)
(参照:ISPRS International Journal of Geo-Information「Geographic situational awareness」Huang & Xiao, 2015)
企業イメージの向上
従業員に救命技能を身につけさせることは、企業の社会的責任(CSR)の一環としても評価されます。また、「従業員の安全意識が高い企業」として、採用活動においても好印象を与えることができます。
特に、小売業、サービス業、教育機関など、多くの人が出入りする施設では、救命技能を持った従業員の存在が、利用者に安心感を与えます。
修了証の種類と活用方法まとめ

応急手当WEB講習受講証明書(普通救命講習編)
取得方法:eラーニングで約65分の動画視聴と修了テスト合格
有効期限:発行から概ね1ヶ月以内に実技講習を受講
活用方法:消防署等での実技講習時に提示し、講習時間を1時間短縮
応急手当WEB講習受講証明書(上級救命講習編)
取得方法:eラーニングで約110分の動画視聴と修了テスト合格
有効期限:発行から概ね1ヶ月以内に実技講習を受講
活用方法:消防署等での上級救命講習時に提示し、講習時間を2時間短縮
救命技能認定証(普通救命講習・上級救命講習)
取得方法:消防署等で実技を含む講習を修了
有効期限:3年間(再講習により更新可能)
活用方法:救命技能を証明する正式な資格として活用
まとめ:救命講習eラーニングは今すぐ始められる「備え」
救命講習のeラーニングは、無料で、いつでも、どこでも学習できる、最も手軽な「備え」の方法です。約1~2時間の学習時間で、いざという時に命を救うための基礎知識を身につけることができます。
eラーニングで得られるもの
救命の基礎知識:心肺蘇生、AED操作、止血法などの基本
受講証明書:実技講習の時間短縮に活用
観察力と判断力:日常生活での危機察知能力の向上
自信:「緊急時に自分にも何かできる」という自己効力感
学習から実践までのステップ
ステップ1:総務省消防庁のeラーニングサイトで学習(1~2時間)
ステップ2:修了テストに合格し、受講証明書を取得
ステップ3:1ヶ月以内に消防署で実技講習を受講(2~6時間)
ステップ4:救命技能認定証を取得(有効期限3年間)
高額な設備や特別な準備は一切不要です。スマートフォンやパソコンがあれば、今日から学習を始められます。
ただし、より包括的な安全対策を検討する企業や施設の場合には、専門的な知識を持つ警備会社への相談も選択肢の一つです。従業員の救命技能と専門的な警備サービスを組み合わせることで、あらゆる緊急事態に対応できる、より強固な安全体制を構築することができるでしょう。
まずは、eラーニングで第一歩を踏み出してみませんか。
参考リンク
総務省消防庁「一般市民向け応急手当WEB講習」:https://www.fdma.go.jp/relocation/kyukyukikaku/oukyu/index.html
お近くの消防署:各自治体の消防本部にお問い合わせください






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